<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 飲中八仙歌>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 唐詩選　上>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 漢文無假名>
<style2: 日本漢文訓讀無假名標注>
<TranslatedTitle: 飲中八仙歌>
<BookPage: 95>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
知章騎馬似乘船，
眼花落井水底眠。
汝陽三斗始朝天，
道逢麴車口流涎。
恨不移封向酒泉，
左相日興費萬錢。
飲如長鯨吸百川，
銜杯樂聖稱世賢。
宗之瀟灑美少年，
舉觴白眼望青天。
皎如玉樹臨風前，
蘇晉長齋繡佛前。
醉中往往愛逃禪，
李白一斗詩百篇。
長安市上酒家眠，
天子呼來不上船。
自稱臣是酒中仙，
張旭三杯草聖傳。
脫帽露頂王公前，
揮毫落紙如雲煙。
焦遂五斗方卓然，
高談雄辨驚四筵。
<End Poem>
<Translation>
賀知章が馬に乗った姿は、ゆらゆらと動いて、まさしく船に乗ってゆれているようだ。醉眼朦朧というやつで、昔話にあるよう井戸に落ちたら、そのまま水底で眠りつづけることだろう。 
汝陽王の李璡は三斗の酒を飲んでから朝廷へ参内した。その途中、麹をつんだ車に出逢うと、口からよだれをたらして、まだ飲みたりないようなようすをした。それで自分の封土が汝陽でなくて、酒泉という威勢のよい名前のところへ移してまらえないかなあと残念がった。
左丞相の李適之は一日の遊びに萬錢を費すという豪勢ぶりだが、御本人の飲みっぷりもたいへんなもので、大鯨が百川の水を吸いこむようなありさまだ。杯を口にしては、聖人の境地をたのしみ、賢人には御遠慮を申しあげるなどといっている。それは清酒を用いて濁酒を用いないという符牒をつかいながら、そのことばどおりの意味を ふくませているらしい。
崔宗之は、すがすがしい美少年だ。杯をあげて白眼で青空を見あげる姿は白く輝いて、まさに玉なす樹が風に吹かれているような清らかさ。 
蘇晉は佛数に歸依し、刺繍した彌勒佛の前で精進潔齋して禮拜しているのはいいが、醉っぱらうと、往々「これから坐禪をしますので」などとことわって席から逃れたり俗人を追いはらったりする癖がある。 
李白は一斗を飲むと詩が百篇もできあがる。そして長安の市場の酒家で酔いつぶれて寝こんでしまうこともまれではない。天子からお呼びを受けても、酩酊はなはだしく、宮中の白蓮池の舟にも乘ることができなかったそうだ。御前に出ても、ふらふらしながら「臣は酒中の仙人でござる、不都合のところは平に御容赦」などと平氣で口ぱしった。
張旭は、
まず飲むこと三杯で調子があがり、草聖といわれる草書の妙筆をふるいはじめる。醉がまわってくる、王侯貴族の前だろうとなんだろうと、遠慮會釋もなく帽をぬぎすてて頭をあらわし、筆をとって紙に落とすと、文字が雲のごとく、煙のごとく躍動する。(當時、禮装では冠か帽をつけて髪をかくすのが正式であった。) 
焦途は五斗を飲みほして、始めてしゃんとしてくる。彼は元來、人前で口をきくようなことはない男だが、酔いがまわってくるにつれ、舌が車のように廻轉しだす。そして高遠な議論がロをついて出てきて、その雄幕なことは、あたりの人々をびっくりさせてしまう。
<End Translation>
<Formatted Translation>
賀知章が馬に乗った姿は、ゆらゆらと動いて、まさしく船に乗ってゆれているようだ。
醉眼朦朧というやつで、昔話にあるよう井戸に落ちたら、そのまま水底で眠りつづけることだろう。 
汝陽王の李璡は三斗の酒を飲んでから朝廷へ参内した。
その途中、麹をつんだ車に出逢うと、口からよだれをたらして、まだ飲みたりないようなようすをした。
それで自分の封土が汝陽でなくて、酒泉という威勢のよい名前のところへ移してまらえないかなあと残念がった。
左丞相の李適之は一日の遊びに萬錢を費すという豪勢ぶりだが、
御本人の飲みっぷりもたいへんなもので、大鯨が百川の水を吸いこむようなありさまだ。
杯を口にしては、聖人の境地をたのしみ、賢人には御遠慮を申しあげるなどといっている。それは清酒を用いて濁酒を用いないという符牒をつかいながら、そのことばどおりの意味を ふくませているらしい。
崔宗之は、すがすがしい美少年だ。
杯をあげて白眼で青空を見あげる姿は白く輝いて、
まさに玉なす樹が風に吹かれているような清らかさ。 
蘇晉は佛数に歸依し、刺繍した彌勒佛の前で精進潔齋して禮拜しているのはいいが、
醉っぱらうと、往々「これから坐禪をしますので」などとことわって席から逃れたり俗人を追いはらったりする癖がある。 
李白は一斗を飲むと詩が百篇もできあがる。
そして長安の市場の酒家で酔いつぶれて寝こんでしまうこともまれではない。
天子からお呼びを受けても、酩酊はなはだしく、宮中の白蓮池の舟にも乘ることができなかったそうだ。
御前に出ても、ふらふらしながら「臣は酒中の仙人でござる、不都合のところは平に御容赦」などと平氣で口ぱしった。
張旭は、まず飲むこと三杯で調子があがり、草聖といわれる草書の妙筆をふるいはじめる。
醉がまわってくる、王侯貴族の前だろうとなんだろうと、遠慮會釋もなく帽をぬぎすてて頭をあらわし、
筆をとって紙に落とすと、文字が雲のごとく、煙のごとく躍動する。(當時、禮装では冠か帽をつけて髪をかくすのが正式であった。) 
焦途は五斗を飲みほして、始めてしゃんとしてくる。彼は元來、人前で口をきくようなことはない男だが、酔いがまわってくるにつれ、舌が車のように廻轉しだす。
そして高遠な議論がロをついて出てきて、その雄幕なことは、あたりの人々をびっくりさせてしまう。
<End Formatted Translation>